筑波大学・世界を変えよう基金アカデミー

大学の授業では取り上げないテーマについて 学類を越えた仲間たちと議論しませんか

ランダム化比較評価手法に関する勉強会 実施報告

10/27 (木) 20時から「ランダム化比較評価手法に関する勉強会」が行われました!

 

ランダム化比較評価手法や勉強会の内容についてはこちらをご覧ください↓

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今回特に印象的だったのは、variation(集団のばらつき)について考えたことです。例えばマウスで実験をするとき、遺伝的に99%同じマウスを用いることが多く、個体差やばらつきについて考えることはあまりありません。しかし、人間相手の調査を行うときや、個体差を見るために遺伝的に異なる背景を持ったマウスを研究に用いるときに、絶対に考えなけなければならないポイントです。その場合、介入が効果的であったのか、偶然コントロール群とは異なる特徴をもつ集団だっただけで介入に効果はなかったのか、よくわからない結果となる可能性もあります。ばらつきのコントロールは人間では非常に難しいので、ランダム化やサンプルサイズを大きくすることが非常に重要となるのですね。

次回も検定力を高める要素について学びます!

ランダム化比較評価手法に関する勉強会 実施報告

10/20 (木) 20時より「ランダム化比較評価手法に関する勉強会」が行われました!

 

ランダム化比較評価手法や勉強会の内容についてはこちらをご覧ください↓

 

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今回は、第1種の過誤や第2種の過誤などの概念を、分布のグラフでどの範囲に当たるのか確認したり、定義を確認したりしながら学びました。

 

心理学類生である筆者はこの概念を二回ほど必修の授業で勉強したはずなのですが、毎回ごちゃごちゃしてしまっていました...。しかし、文字のみの教科書で学んだ無機質な記憶だった統計の基本概念が、今回、写真やグラフとともに学んだことで、しっかりと定着した気がしました^^

 

例えば、男性に対して「妊娠しています」と話している医者の写真(第1種の過誤、偽陽性)と、お腹が大きくなって、妊娠していることが見てわかるような女性に対して医者が「妊娠していません」と説明している写真(第2種の過誤、偽陰性)と共に説明してもらったことで、頭の中に文字情報のみで保存されていた概念がエピソードやグラフのビジュアルと紐づけられて、しっかりと理解できた(と信じたい笑)と思います!検定力は英語でPowerというそうです。それも初めて知り、印象的でした笑

 

大学の授業で学んだ知識に英単語やエピソードを結び付けながらしっかりと理解を深めていきたいと思います!

日本絵画を楽しむ会 第1回実施報告

10/17 (月)18:00より、日本絵画を楽しむ会 第1回を行いました!

 

 

今回は初めてということで、顔合わせと、鈴木先生より勉強会の説明がありました。

秋学期からは対面授業も増えてきたということで、図書館のセミナー室や先生のオフィスなどを利用しながら会を行っています。

留学生の方も含めて、さまざまな専攻や学年の方が参加しているので、これからが楽しみです。筆者はファシリテーターですが、全然日本絵画についての知識がないため、この会を通して勉強していきたいと思います。参加者の皆さんからも学ぶのが楽しみです!

次回は風景画を取りあげます!

ランダム化比較評価手法に関する勉強会 第21回実施報告

9/22 (木) 20時から「ランダム化比較評価手法に関する勉強会」第21回が行われました!

 

ランダム化比較評価手法や勉強会の内容についてはこちらをご覧ください↓

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色々あって久しぶりに参加させていただきました!

今回から、サンプルサイズやサンプリングについて学んでいきます。

 

今日の内容は、絶対に中学や高校数学で触れた部分なのですが、こんな基本的な部分というか、前提となる部分から学ぶのははじめて、説明しろと言われたら上手くできない...というものが多かったです笑 思わず「久しぶりだね〜!」と挨拶したくなるような概念が多く登場して、「あれpermutation(順列)とcombination(組み合わせ)の違いなんだっけ?」「これってどうやって求めるんだっけ?」と忘れていることも多くて驚きました笑

中心極限定理や期待値の概念について、なんとなーく理解して、数式を理解したつもりになって問題を解いてきました。大学に入ってからは、基本概念はわかっている前提で統計を教わるので、改めて前提部分のことを学び直すことはなかったです。授業動画の中で、なぜこのような分布になるの?これってどういうこと?と一つ一つ質問されてはじめて、わかっているつもりになっているということに気付かされました笑

 

また、数学的な概念の理解ももちろん重要ですが、私がこの勉強会に参加したもう一つの目的である、英単語のボキャブラリーを増やすことも忘れてはいけません!!(今ブログを書きながら自分に言い聞かせている気がします!笑)

日本語で知っていても、英語でどう表現されるのか知らない用語や概念が毎回登場するので、とても良い勉強になっています。私は、英語の専門用語を学ぶために単語帳を読むのは味気なくて退屈だと感じてしまうタイプです...週に一回、使い方や単語の意味も学びながら、新しい語彙と出会えるのは、とてもありがたいです。少しずつ語彙を増やしていきたいと思います。

 

次回はより詳細な内容に入っていくそうなので、なんとなくわかったつもりにならないよう気を付けます!

 

ランダム化比較評価手法に関する勉強会 第19回実施報告

9/8 (木) 20時から「ランダム化比較評価手法に関する勉強会」第19回が行われました!

 

ランダム化比較評価手法や勉強会の内容についてはこちらをご覧ください↓

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今回はシンプルであることが特徴なcost-effectiveness analysisを行うのを難しくする要因や、その結果を紹介するときに考慮すべきことについて学びました。

 

これまでの実験や研究で触れたことのない視点のため、興味深いと思うことがたくさんありました。これまで私がみたことのある論文では、コストに注目したものを見たことがありません。しかし、フツーに考えてみると、実際にプログラムや介入が効果的か考える際にコストは見逃せない側面です。重要な側面ですが、もし私が計算しろと言われたら...絶対面倒です笑 全ての研究でこの分析が行われていない理由がよくわかるなあと痛感させられる回でした。

 

次回は、cost-effectiveness analysisについて触れる最後の回となります!

ランダム化比較評価手法に関する勉強会 第18回実施報告

9/1 (木) 20時から「ランダム化比較評価手法に関する勉強会」第18回が行われました!

※こちらの記事は2022年9月8日にいくつか修正を加えております

 

 

ランダム化比較評価手法や勉強会の内容についてはこちらをご覧ください↓

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今回はcost-effectiveness analysisについて学びました!

私たちは買い物をするとき、値段と質を見極めて、お得な買い物をしようとします。

よく「コストパフォーマンス(コスパ)」の良い商品を買う、と言ったりしますよね。

今回学んだ分析方法はまさに、実験や調査で確かめた教育プログラムや介入のコスパを確かめるものです。

 

cost benefit analysisという方法もよく用いられるようですが、こちらは介入の効果が複数の指標で表せる時(例えば、一つの教育プログラムを行なって、学校の出席率、成績、将来の就職率などの結果が出るとき)に、全ての結果を経済的効果という一つの指標に揃えることで、複数の効果指標を持つプログラム同士(教育プログラムAとBなど)が比較しやすくなるというメリットがあるようです。

(修正)こちらがcomparative cost-effectiveness analysis のことでした!20220908 

 

 

少しややこしいですが、comparative cost-effectiveness analysisというものもあるそうです。これは、cost benefit analysisの例のように、一つの介入プログラムの効果が複数の指標表せる時、どの結果が最も費用対効果が高いかを求められるそうです。例えば、一つの教育プログラムを行なって、学校の出席率、成績、将来の就職率などの結果が得られたとき、特に成績への効果のコスパはピカイチです!と言ったことがわかる感じでしょうかね。

(修正)こちらがcost benefit analysis のことでした!20220908 

 

研究者は、最も効果的な治療法や介入を考えることに必死で、経済的な面を全く考慮しないということを批判されることがあります。近年、産官学連携の重要性が注目されるようになったことで、このような視点への関心は高まっているのではないかと思います。

コスパを考慮しすぎるとイノベーションが生まれにくいという批判もあるので、どちらの視点も持てる人でありたいなあと思いました!

 

ランダム化比較評価手法に関する勉強会 第17回実施報告

8/25 (木) 20時から「ランダム化比較評価手法に関する勉強会」第17回が行われました!

 

ランダム化比較評価手法や勉強会の内容についてはこちらをご覧ください↓

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今回は、spilloverの種類、防ぎ方、研究で得られた結果を一般化することの三つについて学びました。

 

spilloverとは、介入群から対照群へ情報が漏れたりや両群が影響し合ってしまうことをさします。病院の有無が健康状態に与える影響を調べたいと考え、介入群に割り当てられた村に病院を立てたことで、隣村の対照群の人も病院に行きやすくなり健康状態が良くなる、などの例があります。対処法としては、対照群と介入群が隣り合う確率を求め、計算で影響を差し引く方法や、対照群と介入群が隣り合わないようにする、村よりも大きな単位(県など)でグループの割り当てを行うなどが挙げられていました。

 

一般化とは、例えば筑波大学で得られた調査結果から、日本の大学生の特徴は...と語るようなことを指します。一般化について注意深く考えなければならないのですが、研究を行なっていると、希望的予測をしてしまうこともよくあるように感じます。マウスで効いた薬が人間に効くとすぐ言うことはできない、と言うのはなんとなく直感的にわかるのですが、日本のどこかで確かめられた性格の特徴や教育プログラムの効果は日本全国で確かめられるだろうと思ってしまったりするんですよね。結果の一般化には、考慮すべき要素(人の属性、文化、時期など)があり、自分自身が研究を行う際にも、注意しなければならないと思いました!